レグルス

レグルス

星の並びのかっこいい、獅子の心臓の星です。

1等星の中では一番暗い星ですが、レグルスのすぐ近くを太陽が通過するので、季節や暦を知る上でとても重要視されていました。

レグルスは、太陽の通り道、黄道の0.5度ほど北で輝いています。毎年、8月23日頃、太陽はこの星のすぐ南を通過していきます。

2000年前、アルマゲストの元になった研究を行ったヒッパルコスは、この星とスピカの位置が、5000年前のバビロニアの星表と違うところから、歳差運動を発見したといいます。レグルスもスピカも、黄道に近いので、歳差運動によって、座標が大きく変化するのです。

「レグルス」という名前は、「小さな王様」という意味。古代ギリシャでは、”Basiliskos”と呼ばれていたといいます1。意味は小さい王様、一緒です。レグルスと言う名前は、有名なコペルニクスが、地動説について著した「天球の回転について」の中でつけたとも、それよりも前に発表したとも言われます。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペク
トル
距離
(光年)
49669α
LEO
10h 8.4m 11゚58.0'レグルス小さな王レグルスと呼ばれる心臓の星1.36-0.52B7V77.5

データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト

レグルス概要

レグルスと太陽

レグルスと太陽

レグルスは、見かけの明るさでは、1等星の中で一番暗い星です。見かけの等級が1.36、もう少しで2等星になってしまうところです。 等級は、小数点第1位で四捨五入して1桁にしていますから、おおいぬ座の後ろ足にあるアダラという星は、1.50等級とされたばかりに、本当にギリギリで2等星に分類されています。 レグルスは、もちろん1等星、星座探しの目標になる明るい星ですので、絶対等級も-0.52、太陽よりもずっと明るい星のひとつです。

色は白、スペクトル型はB7、輝き始めてから5000万年ほど経っていると考えられ2、恐竜が絶滅した頃誕生した星です。 レグルスで特筆すべきことは、自転速度がとても速いこと。直径が太陽の4倍ほどもあるのに、自転周期は15.9時間。地球の一日よりも短く、海王星と同じくらいの周期です。 そんなに速いということは、アルタイルと同じように、レグルスの形は遠心力で膨らんでいるということ。赤道方向は太陽の4.15倍、北極方向は太陽の3.15倍の直径とされています。太陽1つ分、約150万Kmも大きさが違うのですね。当然、表面の温度も違い、赤道は10,500k、極方向は15,400k、5000度も違います。

  1. Brightest Stars P247
  2. Brightest Stars P250