パルディ天球図より、こと座 Ignace Gaston Pardies, Wikimedia Commons

110万年前 ~第一次輝星時代~

120万年前頃から100万年前頃までを、独断で「第一次輝星時代」と名づけてみました

110万年前『夏』

110万年前『夏』

この20万年ほどは1等星が20個以上、最盛期110万年前頃には、-2等級という超輝星を2個も含む、26個もの1等星があったのです。現在から前後100万年では唯一の時代、マイナス符号のついている星が6個もあり、見ごたえたっぷり。

上の図は、110万年前の『夏』の空ですが、西の空には、これから接近するうさぎ座ゼータが-2等級になったところ。その下、同じくこの時期に明るかったHip25240という星は-1.1等級、スピカが1.0等級、レグルスは2等級ですが明るい星が集まっていて『春』1の星空としては賑やか。

南の空には、さそり座アンタレス(1.1等級)と、さそりの尻尾のところにもHip116250(0.9等級)という1等星が、また、北の空にはおなじみのはくちょう座アルファ・デネブ(1.3等級)と、オリオン座ミュー(0.9等級)、こぐま座ベータ・コカブ(0.7等級)が1列に並んでいます。ケフェウス座からカシオペヤ座にかけては、2等星がごろごろ。

この時代の最輝星アスケラは120万年前のページでも見ましたが、最接近は終わったものの、まだ-2等級で『秋』の空。すぐ近くにはエリダヌス座アルファ・アケルナルも-0.2等級で並んでいます。

『冬』の空にも1等星が5個、南天にも6個と、どの季節にも1等星がありました。

1等星

 当時の位置(J2000)  当時の位置(J2000)
順位名前明るさ距離赤径赤緯 順位名前明るさ距離赤径赤緯
1アスケラ-1.97 1122h 8.0m-31°31′ 14ベラトリックス 0.96 180 5h40.1m+11°54′
2ζLEP-1.64 6.413h39.7m+11°10′ 15ベクルックス 0.97 31014h40.1m-51°35′
3カノープス-1.16 240 5h18.2m-61° 6′ 16スピカ 1.04 27014h16.3m– 1°23′
4Hip25240-1.07 6.913h36.3m– 7°34′ 17Hip45856 1.06 4012h23.6m-53°39′
5アケルナル-0.21 11022h36.4m-26°18′ 18アンタレス 1.12 62016h42.2m-19°30′
6リゲル-0.01 710 5h12.0m– 8° 1′ 19Hip87261 1.16 5013h56.7m-47°44′
7ベテルギウス 0.04 350 5h14.5m+ 3°17′ 20デネブ 1.26320020h38.8m+44°48′
8アクルックス 0.51 28013h55.6m-55°52′ 21ファクト 1.30 140 5h39.9m-20°15′
9ハダル 0.58 52015h12.1m-51°11′ 22αTUC 1.31 97 1h50.3m-11° 6′
10コカブ 0.74 6917h33.5m+60°49′ 23Hip32842 1.34 11 3h50.9m+ 1°26′
11アダラ 0.93 330 6h53.8m-29°53′ 24αRET 1.34 6520h 4.2m-48°53′
12μORI 0.94 3520h11.2m+52° 4′ 25ミルザム 1.36 380 6h28.6m-17°46′
13Hip116250 0.95 1117h46.6m-37°59′ 26τPUP 1.44 92 5h24.6m– 1°51′

けれども、この明るい星の多い空も長くは続きません。ここから20万年後、今から90万年前には、1等星の数が20個を切り、一番明るい星も、-1.1等級のカノープスとなってしまいます。上の1等星の表の「距離」の部分を見ていただくと分かりますが、太陽系から50光年以内の星が多くあります。下の、太陽系に近い星ベストテンにも、1等星が5個ランクイン。太陽系に近づいてきたので、1等星の数が増えているというわけです。

太陽系に近い恒星ベストテン

 当時の位置(J2000)
順位名前明るさ距離赤径赤緯
1ζLEP-1.64 6.413h39.7m+11°10′
2Hip25240-1.07 6.913h36.3m– 7°34′
3Hip32842 1.34 11 3h50.9m+ 1°26′
4アスケラ-1.97 1122h 8.0m-31°31′
5Hip116250 0.95 1117h46.6m-37°59′
6Hip7599 2.02 11 9h 7.3m– 5°58′
7Hip100111 7.90 15 7h 1.4m-30°18′
8Hip80337 3.41 17 9h24.2m+ 8°38′
9Hip15799 4.48 1820h12.0m-45°56′
10Hip30939 2.87 1812h25.7m+44°23′

近づいて明るくなる星たちは、また、暗くなるのも早いもの。ここから20万年後、今から90万年前には、近い恒星ベストテンのメンバーはずいぶんと入れ替わり、太陽に近い星も少なく、1等星の数が減ってしまうというわけです。

明るい星の少ない時代の話は追々していくこととして、今は、この明るい星の多い空をお楽しみください。

110万年前『冬』

110万年前『冬』

  1. 『春』や『夏』という表示は、現在の春や夏に見えている空、という意味です。それぞれの時代の季節に見える空は、地球の歳差運動によって変わってしまいますが、このコンテンツ内では、星の位置を解説するために『』つきで表現します
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