星座早見盤

星座早見盤を作ろう!

星座早見盤、みなさんご存じでしょう。望遠鏡と並んで、ポピュラーな天文グッズではないかと思います。

星座早見盤

星座早見盤

星の描いてある円盤と、卵型の穴の開いた板でできていて、星の円盤はくるくる回り、日付と時刻を合わせることで、その日時の星空を調べることができる、というものです。

星座早見盤など、今ではどこでも買えますし、スマートフォンがあれば、空に掲げれば、その時その場所で見える星空を表示してくれるアプリもあります。便利な世の中になったことですが、ま、それはそれ。

一応、教育普及、などという恐れ多いことを生業にしていますので、「自分で作る」というところに、けっこう意味があるのでは、と思っています。

また、せっかく自作するのですから、日本標準の物を作っても面白くない。日本各地の都市用の星座早見盤を作ってみました。

自分で作った、自分の住んでいるところ専用の「自分だけの星座早見」を、くるくる回して楽しんでみる。多少不格好になっても大丈夫。古き良き星座早見盤のキットで、ぜひ皆さんの星座早見を作ってみてください。

星座早見盤キット

都市名 緯度 ケース 経度 星円盤
札幌 43.1N ケース 141.4E 星円盤
仙台 38.3N ケース 140.9E 星円盤
東京 35.6N ケース 139.7E 星円盤
大阪 34.7N ケース 135.5E 星円盤
福岡 33.6N ケース 130.4E 星円盤
那覇 26.2N ケース 127.7E 星円盤
「星円盤」「ケース」をクリック、保存してください。
緯度経度の「N」は北緯、「E」は東経を表す。

星座早見盤キットの作り方

  1. 上の一覧から、皆さんの最寄りの都市の「星円盤」「ケース」を選んで、ダウンロードしてください
  2. プリンタで印刷しましょう。「ページサイズ」の設定は「実際のサイズ」で。厚手の紙(ケント紙など)に印刷するとより良いです
  3. 「星円盤」は、外側を丸く切り取ります
  4. 「ケース」は、外側と、卵型の部分、その下の四角い部分を切り抜きます
  5. ケースの点線部分を山折りにして、左右の耳の部分を糊付けします
  6. 円盤を、ケースに挟み込んで、出来上がり!

    ※工作中のケガ、観察中の事故など、このキット利用によって発生したいかなるトラブルについて、当サイトおよび管理人は一切責任を負いかねます。ケガや事故のないように、気を付けて工作、使用してください。詳しいこと、問い合わせ先などは、利用規定ページ

星座早見盤キットの裏技

せっかく、日本各地の星座早見盤キットを作りましたので、ここで、裏技をご紹介。

各地の星座早見盤は、その場所の緯度経度を使って作成しています。「星円盤」が経度、「ケース」が、緯度。 それぞれのケースや星円盤を見比べていただくと、けっこう卵型の窓の形や、星たちの位置が違うのが分かります。

では、星円盤とケースの組み合わせを変えたらどうなるか・・・。なんと! 違う地方の星座早見盤になってしまうのです!

福岡のケース+大阪の星円盤=串本の星座早見

福岡のケース+大阪の星円盤=串本の星座早見

例えば、福岡のケース(33.6N)と、大阪の星円盤(135.5E)を使うと、北緯33.6度、東経135.5度用の星座早見盤。最寄りの都市を調べると和歌山県串本(33.5N、135.6E)が近いので、串本用の星座早見盤として使えます。同じように、東京都小笠原村は、北緯23.8度、東経136.0度ですから、那覇のケース(26.2N)と、大阪の星円盤(135.5E)で、小笠原用の星座早見盤に早変わり!

ソウル(37.6N=仙台用ケース, 126.8E=那覇用星円盤)や済州島(33.5N=福岡用ケース,126.5E=那覇用星円盤)、ウラジオストク(43.2N=札幌用ケース, 131.8E=福岡用星円盤)など、上の表の、「緯度」「経度」の星円盤とケースが選べる場所なら、海外でも大丈夫です。ただし、時差に気を付けてください。

韓国の都市は時差はないですが、ウラジオストクは時差が+1時間。日本の時計との差が+1時間なので、日本の時計で作ってある星座早見盤では、観察したい時刻から1時間「戻して」合わせます。ウラジオストクの20時を見たい場合、日本時間の19時に合わせる、ということです。

もっと遠くへ!

もっと遠くへ出かけたい、という人も、大丈夫。ピッタリその場所の星座早見ではなくなってしまいますが、普通の星座早見盤と同じくらいの精度で、星空を調べることができます。

この場合は、世界中どこでも大阪の星円盤を使い、先ほどのウラジオストクのように時差を計算して、円盤を合わせます1

午前10時がない → 半年後の午後10時に合わせる

午前10時がない → 半年後の午後10時に合わせる

例えば、アメリカニューヨーク(40.7N, 74.0W)は、大阪の星円盤(135.5E)と、ニューヨークの緯度に近い、仙台のケース(38.3N)を使って、さらにニューヨークとの時差、14時間を足せばよいのです。ニューヨークの午後8時の星空を調べたいとしたら、日本時間で、次の日の午前10時に合わせればOK。

え、午前10時なんて、ケースに表示がないって? 大丈夫! そういうときは、調べたい日付の半年後の、調べたい時刻の12時間後、この例だと、午後10時に合わせてあげればよいのです2。調べたい日が3月15日だったら、9月15日の午後10時に合わせればよい、ということです。

エジプトアスワン(24.0N, 32.7E)だったら、大阪の星円盤(135.5E)と那覇のケース(26.2N)を使って、調べたい時刻に時差7時間を足します。

これで、北緯25度から北緯45度くらいの範囲であれば、世界中の星空を見ることができるようになりました。

もっと自由に!

そうじゃなくて、北極とかオーストラリアとかシンガポールとかの空を見たいんだ!という人。残念ながら、ここにある星座早見では無理です。海外用の星座早見盤をどこかで調達するか、もしくは自力で、星座早見を作ってもらう必要があります。

星座早見盤を作ろう!というページで、星座早見盤の作り方を紹介する予定です3ので、完成まで、ちょっとお待ちください。

  1. 大阪の円盤を使うのは、日本標準時に一番近い星円盤だからです
  2. 厳密には10分程度違うこともありますが、「標準時」での空になるので、そこまでの精度はなくなっています
  3. キットを工作するではなく、キットの作り方です