パルディ天球図より、こと座 Ignace Gaston Pardies, Wikimedia Commons

月齢早見盤キット

『月齢早見盤』って、聞いたこと、ありますか?

月齢早見盤

月齢早見盤

みなさんご存じの『星座早見盤』は、日付、時刻を合わせれば、その時の星空の様子を表示してくれます。それに対して『月齢早見盤』は、年月日を合わせれば、たちどころにその日の月齢がわかってしまう、という優れもの。

月齢を知って、何が楽しいのか、と言われれば、それはまあ、そうなのですが、例えば、流れ星がたくさん流れる流星群の日の月齢はどんな感じ? 月はいつ頃沈むの? とか、釣りや潮干狩りの計画を立てるとき、大潮の日はいつかな?(大潮は、新月と満月のころです)と、調べることができたり、という感じ。

『月齢早見盤』って、どんな風になっているの? という方、右の図をどうぞ。なんだかぱっとしませんが、一応使えるものです。

科学館などに行くと、もっとしっかりしたものが売っていると思います。これでもいいから欲しいな、という方は、すぐ下から、キットがダウンロードできます。工作してみてください。

月齢早見盤キット

ダウンロード
月齢早見盤キットのダウンロードは、こちらから。PDFファイルです
工作時間:
10分程度。簡単なので、ぜひ作ってみてください
準備するもの:
プリンタ、A4用紙1枚、はさみ。割りピンなど、紙を留めておけるもの
作り方
  1. 上のリンクをクリックし、プリンタで印刷してください。
  2. しっかりしたものが作りたい場合は、厚めの紙に印刷してください。
  3. 日付盤、月齢盤、地平線バーを、黒い線にあわせ切り取ります。
  4. 日付盤、月齢盤、地平線バーの順に日付盤の内側の丸にあわせて重ね、中心を割りピンなどで留めれば完成。
  5. 地平線バーを、アクリルなどの透明な板で作ると、中心の地球も見ることができます。ぜひ改造してください
使い方
  1. 月齢を調べたい「年」と「月」を、月齢盤を回して合わせます。日付盤の「青い文字」の1月~12月に、月齢版の年を合わせればOK
  2. うるう年の3月以降は、「赤い文字」の3月~12月に合わせてください。2月29日に、月齢が1日進んでしまうからです
  3. 求めたい「日」のところに描かれている月が、その日の月の形、内側の数字が月齢です。
  4. 地平線バーを回し、中心の「夕方」「朝方」などの文字から、その月がいつ見えるのか、いつごろ沈むのかなどがわかります
月齢早見盤の使い方1 →→→  月齢早見盤の使い方2

調べたい年と月を合わせたら、「日」のところが、その日の月の形

注意!
  • この月齢早見盤は、だいたいの月齢が求まるものです。精度は、1~2日くらい。天文雑誌や新聞などにあるような精度はありません。使用するときには、注意してください

星のことオリジナルな点など

地平線バー

地平線バーと、地球・太陽・月の位置関係

地平線バーについて

ある日の月齢を求めたとき、その月がいつ、どのあたりに見えるのかを示すのが『地平線バー』です。『地平線バー』には、『東』『南』『西』と、方位が描かれています。
調べた月齢の月が、いつごろ昇ってくるか、いつごろ沈むのか、南に見えるのはいつごろかを調べることができます。

また、ある時間帯に見える月の月齢、月齢と見える方位の関係を調べることもできます。

地球と月の関係について

この月齢早見盤には、太陽と地球、その周りを回っている月の図、その近くには、「夕方」「朝方」「昼頃」「夜中」という文字も描いてあります。

この図から、月は、太陽から離れるほど丸く見え、太陽に近づくと細くなる、ということや、月齢早見と地平線バーも組み合わせることによって、月の形が同じなら、季節に関係なく、同じ時間帯に空の同じ場所に見える、ということなどを読み取ることができます。令和2年現在では、小学校6年生、中学校で学習する内容です。ちょっとした天文学習にどうぞ。

どうして月齢がわかるの?

以前、月食の話の中の「メトン周期」のところで、月の満ち欠けの周期の約29.5日と、1年の長さ約365日が、19年でほとんど同じになることから、月齢は、19年周期でほぼ同じになること、この周期をうまく使って、旧暦が作られていたこともお話しました。

つまり、19年分の月齢の表(全部で6939日分!)を作れば、それ以降何十年かは、その表を調べることで、月齢が分かるわけです。

毎日の月齢表

毎日の月齢表

けれども、いくら何十年か先までの月齢が分かるとはいえ、さすがに6939日分の表を作るのは大変です。もう少しどうにかならないでしょうか。ここでもう一工夫。

月齢は、1日で1増えます。それは、そう定義したから。新月のタイミングを月齢0とし、1日たつことに月齢も1足していきます。前の新月から29.5を過ぎたところで次の新月が来ますから、それよりも大きくなったところで29.5を引けば、次の新月からの月齢計算が続けてできるわけです。なので、ある基準の日の月齢が分かれば、その日から過ぎた日数を足すことによって、6939日もある大きな表を作らなくても、月齢を求めることができそうです。

基準の日をどこにするか、ということですが、やっぱり1月1日、各年の最初の日にするのが無難でしょう。また、1年を基準にしても、普通のカレンダーは1ヶ月ことに区切られていますから、1月1日からの日数を計算するのも結構面倒です。7月14日は、1月1日から何日目? と聞かれて、すぐに答えられる人はそういないはずです。基準となる、毎年1月1日の月齢と、各月1日の月齢の差を表にしてみます。

表1・各年の1月1日の月齢
月齢
201319.1
20140.0
201510.4
201621.1
20173.2
201814.2
201925.2
20206.3
202117.8
202228.2
20239.1
202419.5
20251.6
202612.4
202723.5
20284.7
202916.4
203026.9
20317.8
表2・各月1日の月齢との差分
月齢との差分
10.0
21.5
30.0
41.5
52.0
63.5
74.0
85.5
97.0
107.5
119.0
129.5

上の2つの表は、今回、月齢早見盤を作ったときに使った、月齢の関係を表す表です。

表1は、2013年から19年間の1月1日21時の月齢を表しています。各年の1月1日21時には、この月齢というわけです。

表2は、ちょっと分かりづらい表、毎年の1月1日21時の月齢と、各月1日21時のものとのずれを表しています。月の満ち欠けの周期は、約29.5日。1ヶ月の日数は、31日か30日、2月だけ28日か29日です。

1月は、表1のスタートの月なので、差は0。2月1日21時の月齢は、1月の日数「31日」から、満ち欠けの周期「29.5日」で割った余り「1.5日」分進んで始まります。2月1日21時の月齢は、1月1日に比べ、1.5日分ずれているわけです。

同様に、3月は、1月と2月の日数、31+28を29.5で割った余り「0」 3月は1月1日と同じ月齢になります。4月は、1月から3月までの日数31+28+31を29.5で割った余り「1.5」 1月1日の月齢に比べて1.5のずれ・・・と、12月まで求めます。

1月1日からの経過日数を計算するのが面倒くさいので、各月1日、各月の始まりの日の21時の月齢を、1月1日21時の月齢とのずれとして、あらかじめ計算しておくわけです。表1の月齢に、表2の数値を足してあげれば、各月1日21時の月齢が分かります。

試しに計算してみる

たとえば、2023年6月19日の月齢を調べようとします。まずは表1から、2023年の「9.1」、表2から6月1日の差「3.5」を足し合わせ、9.1+3.5=12.6。2023年6月1日の月齢は、12.6。それに、19日を足して・・・ではダメで、18を足して(1日から19日まで経過日数は、19-1=18)、30.6。29.5を超えているので29.5を引いて、答えは月齢1.1。実際の月齢は1.3。いかがでしょうか。

いかがでしょうか、と言われても、こりゃいかにも面倒くさい。面倒なので、計算をしなくても任意の日の月齢を求められるように作られたのが『月齢早見盤』というわけです。

過去未来の月齢は?

この、表を使った計算でも、月齢早見盤でも、2013年以前や2032年以降も、それぞれ対応する年を使えば、同じように月齢を調べることができます。それがメトン周期だからです。2012年は19を足して、2031年のところ、2032年は19を引いて、2013年のところを使えばOK。

ただし、うるう年の入り方によって、1日ずれてしまいますし、100年以上も過去や未来では、メトン周期や計算の誤差も大きくなります。月齢早見盤にある年より過去や未来の月齢は、だいたいの目安、として、使ってみてください。

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