アケルナル
日本ではなじみのない1等星のひとつ。川の果てにあります。
アケルナルは「川の果て」という意味。太陽の神ヘリオスの息子ファエトンが、父親の太陽の馬車に乗り操縦に失敗、全身を焼き焦がして落ちたのがこの川、エリダヌス川です。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7588 | α ERI | 1h37.7m | -57゚14.2' | アケルナル | 川の果て | 0.45 | -2.77 | B3Vp | 144 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト
アケルナル概要
アケルナルと太陽
エリダヌス座の南の果てにあるアケルナルは、日本ではほとんど見ることができません。沖縄や小笠原でいちばん高く昇っても角度の5度、なじみがないのも仕方ありません。
明るさは0.45等級、絶対等級は-2.77、もし、シリウスの距離でこの星が輝いていたら、金星よりもずっと明るい-6等級ほどで輝いたことでしょう。スペクトルはB3、高温度星でも特別に自転速度が速い、Be型と呼ばれる星です。
上の図を見ていただくと分かるように、アケルナルはとてもつぶれています。アケルナルの自転速度は秒速250km! ヴェガやアルタイルのように自転速度が大きく、遠心力で赤道付近が膨らみ、極方向と赤道方向の直径は倍も違います。赤道付近からはガスが流れ出し、アケルナルの周りを囲んでいると考えられています。そのガスが、アケルナルの光によってスペクトルの中に輝線を作るため、輝線星と呼ばれているのです。