アクルックス
みなみじゅうじ座は、1等星が2つ、2等星と3等星で十字架を形づくっています。みなみじゅうじ座アルファ、アクルックスは十字架の足元に輝く星。みなみじゅうじ座の中でいちばん明るいのですが、日本のほとんどから見えず、北緯24度の石垣島や西表島でも南中高度は3度程度です。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
60718 | α CRU | 12h26.6m | -63゚ 5.9' | アクルックス | (ケンタウルスの)同じ足(δ)頸の星 | 0.77 | -4.19 | B0.5IV | 321 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト
アクルックス概要
アクルックス
アクルックスという名前、固有名は、αCrux、南十字座の学名クルックスと、バイエル(バイヤー)符号の「アルファ」がくっついたものです。南十字のβ星、γ星も、ベクルックス、ガクルックスと呼ばれています。それはつまり、古代からある名前ではないということ、南十字の星たちは、もともとはケンタウルス座の後ろ足でした。
アクルックスは、1.4等級と2.1等級の二重星です。スペクトルはどちらもB型、離角は角度の4秒、望遠鏡で見ると青白い星が並んで見えて美しいそう。さらに、角度の90秒ほど離れたところに、同じB型の5等星の星があり、大き目の双眼鏡なら二重星に見えそうです。
アクルックスと太陽
アクルックスの明るいほう、アクルックス1はさらに二重星で、望遠鏡でもふたつに分けることはできませんが、太陽の14倍と10倍の質量を持つ星と考えられます。上の図は、アクルックス1の重いほうの星Aと、望遠鏡で分かれて見えるアクルックスA2の大きさを太陽と比較したもの。
この星は太陽系から320光年ほどの距離にあり、3つの星を合わせた絶対等級は-4等、太陽よりも3000倍も明るく光っています。