ハダル
上半身が人、下半身は馬、半人半馬のケンタウルス座の足に輝く星、その2。ケンタウルス座は1等星が2つもある星座です。
1等星が2つある星座は、このケンタウルス座とオリオン座、みなみじゅうじ座。1等星と2等星のペアで有名のは、ふたご座のカストル、ポルックスでしょうか。
みなみじゅうじ座は、元々はケンタウルス座の後ろ足でしたから、ケンタウルス座は、作られた当時は1等星を4つ持つ星座だったのですね。前足にある1等星のうち、右側、西側にあるのがこのハダルです。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
68702 | β CEN | 14h 3.8m | -60゚22.4' | ハダル | 地面 | 0.61 | -5.42 | B1III | 525 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト
ハダル概要
ハダルと太陽
ハダルは、スペクトル型B1、太陽系から500光年ほどで、絶対等級が-5.4等級、太陽よりも1万倍も明るい星です。この星は連星で、望遠鏡で観測すると、すぐそば、角度の1秒ちょっとのところに4等級の伴星があります。伴星との距離は200天文単位、公転周期は数百年と考えられていました。
ところが、21世紀に入ってからの最新の観測で、主星がさらに連星であること1、ハダルまでの距離は350光年ほど、これまでの半分強だということが分かりました。ふたつの星、ハダルA1とA2は、近づくと0.46天文単位、太陽-水星くらいまで、離れると4.72天文単位、太陽-木星くらいと、結構な楕円を357日の周期で回り、どちらも太陽の10倍ほどの質量、8倍程度の直径だと考えられています。距離が近づきましたので、ふたつの星の絶対等級はそれぞれ-3.8等級程度、太陽の3000倍程度の明るさ、伴星までの距離も110天文単位となりました。
上のハダルのデータは、1990年代後半に観測したヒッパルコス衛星のもので、最新の情報ではありませんが、このサイトでは、これからもしばらくはこのデータを利用する予定です。
- ↩The Brightest Stars P184