名称 | 星座名 | りゅう |
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略号 | Dra | |
学名 | Draco | |
所有格 | Draconis | |
英語名 | the Dragon | |
設定者 | プトレマイオス | |
概略位置 | 赤径 | 17h0m |
赤緯 | 60° | |
面積 | 1083 | |
季節 | 夏 | |
南中 | 8月上旬 | |
星数 | 1等 | 0 |
2等 | 1 | |
3等 | 5 | |
4等 | 10 | |
5等 | 57 | |
6等 | 140 | |
変光星 | 378 | |
データ出典: 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020 名称(星座名を除く):IAU Webサイト |
りゅう座
金のリンゴを守る「りゅう」。空では、黄道北極を守っています
りゅう座は、北の空にある大きな星座です。北斗七星と北極星、こと座のヴェガで作る三角形の中、空の静かな辺りにひっそりと「りゅう」が隠れています。
夏の夕方、こと座のヴェガからさらに北側に目を移し、2、3、4、5等星で作る小さな四角形が見つかれば、それがりゅうの頭、ξからδ-ε-φ-ζ-η-θ-ι-α-κ-λと長い身体が続きます。りゅうと入っても、西洋のドラゴンではなく、東洋の龍の姿に近い、蛇のような姿。明るい星はないので、都会の空では見つけるのは難しい星座のひとつです。
りゅう座の中でいちばん明るいのは、頭にある2等星のγ・エルタニン。α・トゥバンは4等星ですが、星座が作られた時代には地球の歳差運動によって北極星になっていた星です。もちろん、バイエル名をつけたバイヤー(バイエル)の時代には、北極星ではありませんが、バイヤーはそれを意識してαと符号をつけたのでしょうか。
また、りゅうの頭から北、身体がぐっと曲がっているその中に、黄道北極があります。赤径18h00m、赤緯+66.6°、星図で示すと、δとζを結んだ中間付近です。星座ができたばかりの頃は、太陽の通り道、黄道はとても大切なものでした。太陽だけではなく、月や惑星もその近くを通りましたから、それらの位置を調べたり記録したりする星図も、昔は赤道座標ではなく黄道座標で作られていました。
黄道の北極があるりゅう座、ギリシャ神話では、ヘラとゼウスが結婚したお祝いにガイアから贈られた、金の実のなるリンゴの木を守るりゅうだといいます。このりゅう、ヘルクレスの12の冒険の11番目に登場し、やはりヘルクレスに退治されてしまいますが、神々の大事な記念品を守るりゅう、天に昇っても、大切な黄道北極を守る役目についているようです。
2つの流星群
どちらも、一般的に「りゅう座流星群」という名前で呼ばれませんが、このりゅう座から現れる有名な流星群が2つあります。
ひとつめは「しぶんぎ座流星群」 りゅう座θ、ιの南側、ヘルクレス座に近いところから流れます。以前、ここには「しぶんぎ座」という星座があり、その名前で呼ばれているのです。この流星群は、年明けすぐの1月4日ころ、1時間に30個以上流れ、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに、毎年活発な活動が見られます。
ふたつめは「ジャコビニ流星群」 りゅうの頭、νのあたりから流れますので、「りゅう座γ流星群」とも呼ばれます。こちらは、ジャコビニ・ジンナー彗星が母彗星、この彗星の尾の砂粒が地球に落ちてきて流星になるもので、13年おきに活発な活動をすることで知られています。活動時期は10月の8日から9日にかけての数時間で、もし活発なときにあたると、1時間に数百個の流れ星を見ることができるかもしれません。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
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68756 | α DRA | 14h 4.4m | 64゚22.5' | トゥバン | りゅう | これから(ι)かなり離れた2星の東星 | 3.67 | -1.21 | A0IIISB | 309 |
85670 | β DRA | 17h30.4m | 52゚18.1' | ラスタバン | 竜の頭 | 目の上にある星 | 2.79 | -2.43 | G2II | 361 |
87833 | γ DRA | 17h56.6m | 51゚29.3' | エルタニン | 竜の頭 | 頭の上の星 | 2.24 | -1.04 | K5III | 148 |
94376 | δ DRA | 19h12.6m | 67゚39.7' | アルタイス | 蛇 | その(π)北星 | 3.07 | 0.63 | G9III | 100 |
97433 | ε DRA | 19h48.2m | 70゚16.1' | ティル | 東辺の北星 | 3.84 | 0.59 | G8III | 146 | |
80331 | η DRA | 16h24.0m | 61゚30.8' | アテバイン | 2匹のハイエナ | 西へつづく2星の北星 | 2.73 | 0.58 | G8III | 87.7 |
83895 | ζ DRA | 17h 8.8m | 65゚42.9' | アルディーバ | その(g)北星 | 3.17 | -1.92 | B6III | 340 | |
78527 | θ DRA | 16h 1.9m | 58゚33.9' | その(η)南星 | 4.01 | 2.41 | F8IV-V | 68.2 | ||
75458 | ι DRA | 15h24.9m | 58゚58.0' | エダシク | ハイエナの牡 | 尾の近くのしわにある西側の星 | 3.29 | 0.81 | K2III | 102 |
61281 | κ DRA | 12h33.5m | 69゚47.3' | 尾の近くでこれらに接近する星 | 3.85 | -2.07 | B6IIIp | 498 | ||
56211 | λ DRA | 11h31.4m | 69゚19.9' | ギャウサル | 竜の頭と尾 | 尾の末端星 | 3.82 | -1.23 | M0IIIvar | 334 |
85819 | ν DRA | 17h32.2m | 55゚11.0' | 口にある星 | 4.89 | 2.48 | Am... | 98.9 | ||
89908 | φ DRA | 18h20.8m | 71゚20.3' | その(χ)北星 | 4.22 | -0.52 | A0p(Si) | 289 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト