名称 | 星座名 | さそり |
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略号 | Sco | |
学名 | Scorpius | |
所有格 | Scorpii | |
英語名 | the Scorpion | |
設定者 | プトレマイオス | |
概略位置 | 赤径 | 16h30m |
赤緯 | -26° | |
面積 | 497 | |
季節 | 夏 | |
南中 | 7月下旬 | |
星数 | 1等 | 1 |
2等 | 5 | |
3等 | 9 | |
4等 | 9 | |
5等 | 35 | |
6等 | 108 | |
変光星 | 1378 | |
データ出典: 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020 名称(星座名を除く):IAU Webサイト |
さそり座
オリオンを懲らしめたさそり。この星の並びをさそりの尾と見るのはすばらしいセンスです。
さそり座は、黄道12星座の8番目。夏を代表する星座です。
さそりの心臓に赤く輝くアンタレス。赤い星の夏の横綱でしょう。もちろん、冬の横綱はオリオン座のベテルギウス。どちらも赤色巨星と呼ばれる、恒星の終焉間近の姿。直径が太陽の500倍以上あり、太陽系に持ってくれば火星までその中に飲み込まれてしまいます。
夏の赤い星、しかもすぐそばを黄道が通っていますから、昔から注目を集め、アンタレスという名前は「火星のライバル」という意味、1年~2年ごとにそばを通過する火星とよく似たこの星にふさわしい名前でしょう。
中国では「大火」 日本では「あかぼし」など、赤い色に注目していますが、うまいと思うのは「よっぱらいぼし」 あまり高く昇らないこの星、ゆらゆらと瞬く姿は酔っ払いが千鳥足で進んでいる様子でしょうか。
アンタレスの両脇には3等星がポツポツとあり「^」形に並んで見えます。両脇の星を天秤で担ぐ荷物とみて、アンタレスも含めて「かごかつぎぼし」 担ぐ荷物も米や魚、塩などいろいろ。現在の知識ではそんなことは絶対にないと分かりますが、両脇の星がさがって天秤棒のしなり具合が大きい年は豊作、など、豊凶占いにも使われたようです。両親をかごで荷う、親孝行者の星「おやにないぼし」という呼び方も。
アンタレスから西側には、2等星1つと3等星2つが、今度は縦に3つ並びます。このあたりがさそりの頭。アンタレスの東側にも、2等星3等星が連なり、さそりの身体と尻尾を形作ります。頭からしっぽまで星をつなげば、アルファベットの「S」の文字。大きなさそりの姿が見えるでしょうか。
さそりのしっぽの部分を日本では「うおつりぼし」 ニュージーランドのマウイの人たちも、神がニュージーランドを海底から釣り上げた釣り針に見ているそうです。
ギリシャ神話では、もちろんオリオンを懲らしめたさそりとして有名。「地上のけものは俺の獲物」と豪語するオリオンを懲らしめるため、ガイアが遣わせたといいます。さそりもオリオンも天に昇りましたが、オリオンは今もさそりを恐れ、さそりとはちょうど反対の空にいるのです。巨人オリオンと小さなさそり、という大きさの対比と空の配置がうまくできています。
別のギリシャ神話では、太陽の馬車を引くパエトンを驚かせたさそりとも。さそりに驚いた馬たちは暴走して、太陽の馬車は黄道を外れ、エリダヌス川に墜落した、というのです。
星団いろいろ
さそり座には、見つけやすい散開星団、球状星団があります。まずは、アンタレスの西1°のところにある、球状星団のM4。都会の空でも、双眼鏡でその場所が分かります。空の暗いところで、目のいい人なら、肉眼でも見つけることができるそう。
望遠鏡で探すときは、アンタレスを目印に、少しづつ西に視野を動かしていくだけでよいので、球状星団探しの入門にうってつけではないかと思います。私も、初めて自分で探した球状星団はM4でした。
球状星団は、その名の通り、数十万個の星が、球状に集まっているものです。散開星団が、天の川の中にあるのに対して、球状星団は天の川円盤の外側に、円盤を取り囲むようにあります。一般的な球状星団までの距離、数万光年に対して、この球状星団までの距離は7000光年ほど。球状星団としては、近いところにあります。
M6: The Butterfly Cluster
(C)Sergio Eguivar Buenos Aires Skies,
APOD, NASA
さそりのしっぽの先には、M6、M7というふたつの散開星団。こちらは、双眼鏡で見ると一緒の視野に入り、星がパラパラと集まっている様子が見られます。
その周りには、小さな散開星団がいくつかあり、なんといっても天の川の中ですから、天の川の星たちもたくさん見えて、とても美しく賑やかな眺めです。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
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80763 | α SCO | 16h29.4m | -26゚25.9' | アンタレス | 火星の敵 | アンタレスとよばれる赤い中央星 | 1.06 | -5.28 | M1Ib+B2.5V | 604 |
78820 | β SCO | 16h 5.4m | -19゚48.3' | アクラブ | さそり | 前頭にある3輝星の北星 | 2.56 | -3.50 | B0.5V | 530 |
78401 | δ SCO | 16h 0.3m | -22゚37.3' | ジュバ | ひたい | これら(β)の中央星 | 2.29 | -3.16 | B0.2IV | 401 |
82396 | ε SCO | 16h50.2m | -34゚17.6' | ララワグ | オーストラリア・Wardaman族の呼称 | 胴から最初の関節にある星 | 2.29 | 0.78 | K2IIIb | 65.4 |
82671 | ζ SCO | 16h54.0m | -42゚21.7' | 第3関節にある2星の北星 | 4.7 | -5.03 | B1Iae | 2890 | ||
84143 | η SCO | 17h12.2m | -43゚14.3' | 次に第4関節にある星 | 3.32 | 1.61 | F3p | 71.6 | ||
86228 | θ SCO | 17h37.3m | -42゚59.9' | サルガス | シュメール・マルドゥックが使う武器の名 | その後ろで第5の関節にある星 | 1.86 | -2.75 | F1II | 272 |
87073 | ι SCO | 17h47.6m | -40゚ 7.6' | さらにその後ろで第6関節にある星 | 2.99 | -5.71 | F3Ia | 1790 | ||
86670 | κ SCO | 17h42.5m | -39゚ 1.8' | 第7関節にあって棘針に近い星 | 2.39 | -3.38 | B1.5III | 464 | ||
85927 | λ SCO | 17h33.6m | -37゚ 6.2' | シャウラ | 針 | これら(κ、υ)の東星 | 1.62 | -5.05 | B1.5IV+... | 703 |
82514 | μ SCO | 16h51.9m | -38゚ 2.8' | ハミディムラ | コイコイ人の言葉で「ライオンの眼」 | 第2関節にある星 | 3 | -4.01 | B1.5IV+B | 821 |
82545 | μ SCO | 16h52.3m | -38゚ 1.0' | ピピリマ | タヒチの伝承に登場する双子の名 | 3.56 | -2.44 | B2IV | 517 | |
79374 | ν SCO | 16h12.0m | -19゚27.6' | ジャバハー | 最北星に近い2輝星の北星 | 4 | -1.63 | B2IV | 436 | |
78727 | ξ SCO | 16h 4.4m | -11゚22.4' | グラフィアス | かに | (てんびんの)これら(ψ)の北星 | 4.16 | 2.57 | F6IV | 67.9 |
78265 | π SCO | 15h58.9m | -26゚ 6.8' | 房 | 28宿の名 | 3星(β)の南星 | 2.89 | -2.85 | B1V+B2V | 459 |
78104 | ρ SCO | 15h56.9m | -29゚12.8' | イクリール | アラビアの月宿 | 足の一つにある、さらに南の星 | 3.87 | -1.62 | B2IV/V | 409 |
80112 | σ SCO | 16h21.2m | -25゚35.6' | アルニヤト | 心臓の外壁 | 胴にある3輝星の西星 | 2.9 | -3.86 | B1III | 734 |
85696 | υ SCO | 17h30.8m | -37゚17.7' | レサト | (霧状の)塊 | その(λ)西星 | 2.7 | -3.31 | B2IV | 518 |
79540 | χ SCO | 16h13.8m | -11゚50.3' | 5.24 | -0.41 | K3III | 439 | |||
79375 | ψ SCO | 16h12.0m | -10゚ 3.9' | 4.93 | 1.41 | A3IV | 165 | |||
78933 | ω SCO | 16h 6.8m | -20゚40.1' | ジャバト・アラクラブ | さそりの額 | その(ν)南星 | 3.93 | -1.64 | B1V | 423 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト