名称星座名ろくぶんぎ
略号Sex
学名Sextans
所有格Sextantis
英語名the Sextant
設定者ヘベリウス
概略位置赤径10h10m
赤緯-1°
面積314
季節
南中4月下旬
星数1等0
2等0
3等0
4等0
5等5
6等34
変光星98
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト

ろくぶんぎ座

ヘヴェリウスの使っていたという六分儀。火災にあって、紛失してしまったそう。

ヘヴェリウスは、肉眼観測と望遠鏡観測の過渡期の天文学者で、肉眼で星の位置の観測に使うのが「六分儀」です。

この「分儀シリーズ」は、六分儀のほかにも星座になっていて、天の南極付近に八分儀、そして今はなくなってしまいましたが四分儀もありました。数字は円周を何分割しているか、ということで、四分儀は四分割で90度、六分儀は六分割ですから60度、八分儀は45度の円周、切り取った円の直線部分を星に向け、中心から錘のついた紐をたらし、その紐の位置で目標の高度や間隔を測る道具です。天体観測で使われたのはもちろん、20世紀前半までは、航海の際、自船の位置決定にはなくてはならない道具の一つでした。

ヘヴェリウスはポーランドの天文学者で、詳細な月の観測結果の「セレノグラフィア」や彗星の観測記録「コメットグラフィア」 星座絵が特徴的な「ヘヴェリウス星図」などの書籍も出版しています。ヘヴェリウスは大変精度のよい観測記録を残しており、ハレー彗星で有名なハレーと観測精度競争をしたときは、望遠鏡を使ったハレーとほとんど同じ精度の観測をしたといいます。その観測精度の裏に、よい道具があったに違いありません。

そんな六分儀を星座にした「ろくぶんぎ座」は、ヘヴェリウスが火災で焼失した愛用品を星座にしたものです。1679年9月、ヘヴェリウスの外出中に自宅から出火し、観測機材や書籍、観測記録などが焼けてしまいました。再び観測体制を整えたヘヴェリウスが、記念に作ったといわれます。

プライベートな理由だからでしょうか、うみへび座の上の、明るい星のない場所にひっそりともぐりこませています。一番明るい星でも5等星、本当の空はもちろん、プラネタリウムの空でも星を追うことができない星座です。星図ではそれらしく線を引いてありますが、ここの星の配置では何も想像できないというか、なんでもありというか。

天の川が見えるような場所に行く機会があったら、ぜひ探してみてください。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペク
トル
距離
(光年)
49641α
SEX
10h 7.9m- 0゚22.3'   4.48-0.25A0III287
51437β
SEX
10h30.3m- 0゚38.2'   5.08-0.04B6V345
48437γ
SEX
9h52.5m- 8゚ 6.3'   5.070.55A2V261

データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト