恒星の直径と質量
一般的な恒星では、直径と質量は、そのスペクトル型と光度に応じてほぼ決まっています。乱暴な言い方をすれば、星の色と明るさで、どれくらいの大きさ・質量があるか分かるということです。
スペクトル型 | 主系列星 | 巨星 | 超巨星 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
直径 | 質量 | 直径 | 質量 | 直径 | 質量 | |
O5 | 18 | 50 | – | – | – | – |
B0 | 7.5 | 18 | 16 | – | 20 | 50 |
B5 | 4 | 6.5 | 10 | – | 20 | 25 |
A0 | 2.5 | 3.2 | 6 | – | 40 | 16 |
A5 | 1.7 | 2.1 | – | – | 50 | 13 |
F0 | 1.3 | 1.8 | – | – | – | 12 |
F5 | 1.2 | 1.5 | – | – | 80 | 10 |
G0 | 1.1 | 1.1 | 6 | 2.5 | 100 | 10 |
G5 | 0.93 | 0.9 | 10 | 3.2 | 130 | 12 |
K0 | 0.85 | 0.8 | 16 | 4 | 200 | 13 |
K5 | 0.74 | 0.7 | 25 | 5 | 400 | 15 |
M0 | 0.63 | 0.5 | – | 6.3 | 500 | 17 |
M5 | 0.3 | 0.2 | – | – | 800 | – |
主系列星、巨星、超巨星と、3種類に分類されています。これは、「明るさ」の違いと考えてください。スペクトルは「温度」の違い。
主系列星は、星の一般的な姿。太陽も含め、空に見えるほとんどの星が主系列星です。表の上のほう、O型、B型、A型の星は、太陽よりもずっと重たく、直径も数倍から十数倍もある大きな星、例えば、オリオン座のリゲル。明るい星たちですから、星座を作る星のほとんどはこのグループ。太陽は、主系列星の真ん中、G型。表の下の方、K型、M型の星は、太陽よりも軽い星。このあたりの星は、明るさも暗くなり、星座を作る星では、少なくなってきます。
超巨星は、二つの種類があります。一つ目は、表の上の方のO型やB型の星。これらは本当に巨大な星。例えば、はくちょう座のデネブ。
二つ目、表の下の方は、輝き始めてから時間が経って、星の内部構造が変わってきたもの。いわゆる「年老いた星」たち。例えば、オリオン座のベテルギウスや、さそり座のアンタレス。
この星たちは、主系列星と比べると、同じスペクトル型でも、直径が10倍から100倍違うのが分かります。質量が大きくなっているのは、太ったからではなく、主系列星のころはO型、B型だった星たちが、直径が大きくなって、表面の温度が下がってきたからです。
主系列星のころに、G型、K型、M型などの温度の低い星たちは寿命が長いので、現在もまだ主系列星、超巨星段階になっていないものが多く、この表には出てきていません。
星の光は、星からの手紙
これまで見てきたように、星からの光をくわしく調べることで、質量や直径、光り始めてからどれくらいの時間が経っているか、などを知ることができます。
小学校で、星にはいろいろな色や明るさがある、ということを教えるのは、見てすぐに分かる、ということが大きいでしょうが、その二つをもとに、星の分類が行われている、ということを示している、と思います。
[恒星の世界 P46]