パルディ天球図 より、こと座 Ignace Gaston Pardies, Wikimedia Commons

恒星の直径と質量

一般的な恒星では、直径と質量は、そのスペクトル型と光度に応じてほぼ決まっています。乱暴な言い方をすれば、星の色と明るさで、どれくらいの大きさ・質量があるか分かるということです。

スペクトル型ごとの平均的恒星の直径・質量
(太陽単位)
スペクトル型 主系列星 巨星 超巨星
直径 質量 直径 質量 直径 質量
O5 18 50
B0 7.5 18 16 20 50
B5 4 6.5 10 20 25
A0 2.5 3.2 6 40 16
A5 1.7 2.1 50 13
F0 1.3 1.8 12
F5 1.2 1.5 80 10
G0 1.1 1.1 6 2.5 100 10
G5 0.93 0.9 10 3.2 130 12
K0 0.85 0.8 16 4 200 13
K5 0.74 0.7 25 5 400 15
M0 0.63 0.5 6.3 500 17
M5 0.3 0.2 800

主系列星、巨星、超巨星と、3種類に分類されています。これは、「明るさ」の違いと考えてください。スペクトルは「温度」の違い。

主系列星は、星の一般的な姿。太陽も含め、空に見えるほとんどの星が主系列星です。表の上のほう、O型、B型、A型の星は、太陽よりもずっと重たく、直径も数倍から十数倍もある大きな星、例えば、オリオン座リゲル。明るい星たちですから、星座を作る星のほとんどはこのグループ。太陽は、主系列星の真ん中、G型。表の下の方、K型、M型の星は、太陽よりも軽い星。このあたりの星は、明るさも暗くなり、星座を作る星では、少なくなってきます。

超巨星は、二つの種類があります。一つ目は、表の上の方のO型やB型の星。これらは本当に巨大な星。例えば、はくちょう座デネブ

二つ目、表の下の方は、輝き始めてから時間が経って、星の内部構造が変わってきたもの。いわゆる「年老いた星」たち。例えば、オリオン座ベテルギウスや、さそり座アンタレス

この星たちは、主系列星と比べると、同じスペクトル型でも、直径が10倍から100倍違うのが分かります。質量が大きくなっているのは、太ったからではなく、主系列星のころはO型、B型だった星たちが、直径が大きくなって、表面の温度が下がってきたからです。

主系列星のころに、G型、K型、M型などの温度の低い星たちは寿命が長いので、現在もまだ主系列星、超巨星段階になっていないものが多く、この表には出てきていません。

星の光は、星からの手紙

これまで見てきたように、星からの光をくわしく調べることで、質量や直径、光り始めてからどれくらいの時間が経っているか、などを知ることができます。

小学校で、星にはいろいろな色や明るさがある、ということを教えるのは、見てすぐに分かる、ということが大きいでしょうが、その二つをもとに、星の分類が行われている、ということを示している、と思います。

[恒星の世界 P46]