名称星座名くじら
略号Cet
学名Cetus
所有格Ceti
英語名the Sea Monster
設定者プトレマイオス
概略位置赤径1h45m
赤緯-12°
面積1231
季節
南中12月中旬
星数1等0
2等1
3等4
4等10
5等39
6等136
変光星227
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト

くじら座

アンドロメダを襲おうとし、ペルセウスに退治されてしまったくじら座。。バケクジラだけに、いろいろなものをその身体に隠しているようです。

くじら座の目印は2等星ディフダ。2016年までは、デネブカイトスと呼ばれていました。「くじらの尻尾」という意味で、星座の絵にとてもあっていたのですが、諸般の事情(?)で名前が変えられた星の一つです。ペガスス座のおなかの4つの星、秋の四角形の左側(西側)の星を、南側に伸ばしていくと、ぽつんと見つかります。こぶし2つ分西に目を向けると、みなみのうお座フォーマルハウトがありますから、比較的見つけやすい星です。

ディフダから左側に3等星後半の3つの星を山形につないで身体を作り、有名な「ο」変光星ミラを通って、その先に5角形を見つけると、それがくじらの頭。鼻先に光るのは3等星メンカル。鼻、という意味です。

星をつないでくじらの姿を追うのは、もちろん都会の空では難しい。4等星が見える空なら、どうにか見えてきそうです。

ギリシャ神話では、カシオペヤの親バカで、海の神ポセイドンが遣わせた怪獣。「くじら」といっても我々の知っている鯨ではありません。口には牙が生え、大きな胸ひれで地上も歩き、長い尻尾で大津波を起こしながらアンドロメダに襲いかかります。が、あと一歩と言うところで、ペルセウスによって退治されます。メドゥーサ退治の帰りだったペルセウス、さっそくその首をバケクジラに突きつけたのです。さすがのバケクジラもメドゥーサの恐ろしさには敵わず、石になってしまいました。

考えてみれば、主人の言いつけを守りエチオピアへ行き、石にされてしまったバケクジラ、ちょっとかわいそうな気もします。

ミラとτ

有名な脈動変光星ミラ。330日ほどの周期で、2等級から10等級近くまで明るさが変化します。2009年の極大は11月中旬。毎年、だいたい1ヶ月づつ、極大の時期が早くなっていきます。スペクトル型と距離から分かるように赤色巨星であり、天文学的な近い将来、超新星爆発を起こすものと思われます。

ミラの位置を星座と重ねると、ちょうど胸の辺り、赤い星が脈動しますから、くじらの心臓の星といえるかもしれません。

もう一つ、くじらのお腹にはτ(タウ)という星があります。この星も太陽系に近い太陽に似た大きさの星です。質量は太陽の80%程度、明るさは半分くらいです。太陽系でいう金星の軌道付近に地球型惑星があれば、生命が発生できる環境になるそうですが、今のところ、惑星は見つかっていないようです。

SXDS(すばる/XMMニュートン・ディープサーベイ)

くじら座は、春のかみのけ座と同じように、天の川銀河の極に近く、系外銀河をたくさん見ることができます。その中に、SXDS(すばる/XMMニュートン・ディープサーベイ)と呼ばれるエリアがあります。日本のすばる望遠鏡と、X線観測衛星XMMニュートンが100億光年以上彼方の銀河を発見、観測を続けている領域です。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペク
トル
距離
(光年)
14135α
CET
3h 2.3m 4゚ 5.4'メンカル鰓の端にある、口の3星の東星2.54-1.61M2III220
3419β
CET
0h43.6m-17゚59.2'ディフダ二匹目の蛙尾の南端星2.04-0.30K0III95.8
12706γ
CET
2h43.3m 3゚14.2'カファルジドマクジラの頭?口の中央にある、3星の中央星3.471.47A3V82
12387δ
CET
2h39.5m 0゚19.7'  頬にある3星の西星4.08-2.41B2IV647
12390ε
CET
2h39.6m-11゚52.3'  (ρと同じ)西辺の南星4.832.67F5V88.1
8645ζ
CET
1h51.5m-10゚20.1'バテンカイトスクジラの腹その(τ)北星3.74-0.76K2III259
5364η
CET
1h 8.6m-10゚10.9'デネブ2星(θ)の南星3.460.67K2III118
6537θ
CET
1h24.0m- 8゚11.0'  尾に近く背の端の2星の東星3.60.87K0III114
1562ι
CET
0h19.4m- 8゚49.4'デネブカイトスシャマリクジラの北側の尾尾の端にある2星の北星3.56-1.18K2III290
12828μ
CET
2h44.9m 10゚ 6.9'  (おひつじの)後足の端の星4.272.21F1III-IV84.2
12093ν
CET
2h35.9m 5゚35.6'  眼孔の端にある星4.87-0.42G8III372
10324ξ
CET
2h13.0m 8゚50.8'  たてがみの上にある、これらの西星4.36-0.87G8II:362
10826ο
CET
2h19.3m- 2゚58.6'ミラ不思議な 6.470.93M5e-M9e418
12770π
CET
2h44.1m-13゚51.5'  (ρの)東辺の南星4.24-1.41B7IV441
8102τ
CET
1h44.1m-15゚56.4'  胴にある3星の中央星3.495.68G8V11.9

データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト