名称 | 星座名 | とけい |
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略号 | Hor | |
学名 | Horologium | |
所有格 | Horologii | |
英語名 | the Clock | |
設定者 | ラカイユ | |
概略位置 | 赤径 | 3h20m |
赤緯 | -52° | |
面積 | 249 | |
季節 | 南天 | |
南中 | 1月上旬 | |
星数 | 1等 | 0 |
2等 | 0 | |
3等 | 0 | |
4等 | 1 | |
5等 | 9 | |
6等 | 20 | |
変光星 | 61 | |
データ出典: 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020 名称(星座名を除く):IAU Webサイト |
とけい座
当時最先端の機器のひとつ。時計。時計の発達とともに、航海の安全も高まっていきました。
船で大海原を移動するとき、一番困るのは自分がどこにいるのか分からないことです。陸地が見えない海の上では、地上には何も目印がありませんから、空にある目印を使って航海していました。そう、星です。
太陽や月や星を観測して、自分がどこにいるのか分からないか、ということは、はるか昔から考えられ、実際、旅行のときにそれらの位置を観測していたようです。計測のために、六分儀(ろくぶんぎ座)や八分儀(はちぶんぎ座)が作られたのですね。
北極星の見えるところでは、その高度を測ることでその場所の緯度が直接分かります。南半球でも、南極星はありませんが考え方は同じ。けれども経度は、東極や西極のような基準となる点がなく、各自が決めた基準(母港からどれくらい離れたか、など)で測る必要があります。
天体を使って経度方向にどれくらい離れたかを知るには、その天体が南中する、昇る、沈むなどの時刻を測り、基準の場所での同じ現象の時刻との差をとるしかありません。東京ではシリウスが21時40分に南中した、明石では22時に南中したとすると、2点の経度の差は20分、角度で5度離れている、というわけです。それで、星の経度=赤径は、0時から24時という、時間の単位で示しているのですね。
この方法には、とても重要なこと「時計が正確でなければならない」という前提があります。時計が1分進んでいれば、30km近くも違ってしまい、東京にいるつもりが実は横浜だった、となってしまいます。位置決定には正確な時計が不可欠でしたが、それが実用になったのは、18世紀に入ってからでした。
ということで、当時の最先端技術を星座にしたラカイユの新星座のひとつ、とけい座です。船は揺れるので、振り子時計では正確な時刻は測れないのですが、星座絵ではその振り子時計が描かれます。隣にはレチクル座がありますから、ラカイユが観測に使った時計なのでしょうか。
日本では沖縄まで行かないと全体が見えません。明るい星がなく、一番北よりの4等星・αが振り子、南のβやμ、ζあたりに時計盤があるはずですが、みな5等星で、なんとも想像するのが難しい。
もっとも、当時の経度決定に比べれば、見つけるのは簡単なことかもしれません。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
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19747 | α HOR | 4h14.0m | -42゚17.6' | 3.85 | 1.07 | K1III | 117 | |||
13884 | β HOR | 2h58.8m | -64゚ 4.3' | 4.98 | 0.07 | A5III | 313 | |||
19515 | δ HOR | 4h10.8m | -41゚59.6' | 4.93 | 1.28 | A9V | 175 | |||
12225 | η HOR | 2h37.4m | -52゚32.6' | 5.3 | 2.06 | A6V | 145 | |||
11258 | λ HOR | 2h24.9m | -60゚18.7' | 5.36 | 1.91 | F2III | 160 | |||
14240 | μ HOR | 3h 3.6m | -59゚44.3' | 5.12 | 1.99 | F0IV | 138 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト