名称星座名てんびん
略号Lib
学名Libra
所有格Librae
英語名the Scales
設定者プトレマイオス
概略位置赤径15h10m
赤緯-14°
面積538
季節
南中7月上旬
星数1等0
2等0
3等3
4等5
5等20
6等59
変光星361
データ出典:
 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020
 名称(星座名を除く):IAU Webサイト

てんびん座

正義の女神アストレイアが、善悪の計量に使ったという天秤。

てんびん座は、星占いで有名ですが、実際に探すとなると難しい星座のひとつです。おとめ座スピカさそり座アンタレスの間、ちょうど、かに座を探すのと同じ要領で、ふたつの1等星の間を注目すると、縦になった細長い三角形に3等星が並んでいる、それが目印。

その三角形は、天秤の腕と皿になるわけですが、星図によってお皿だったり腕だったり役割が違っています。ポピュラーなのはフラムスチード星図の星座絵ですが、フラムスチードでは、α、βと天秤の皿、周りの星はたるんだ糸の部分に描かれていますし、ウラノメトリアやヘヴェリウス星図では、βが天秤の中心、αとγが左右のお皿です。人間や動物ではないので、自由に星をつないでいるというか、天秤を描けるほど星がきちんと並んでいないというか。しかも、α、βともに、「爪」という名前がつけられています。

この爪、というのはもちろん、隣のさそりのはさみのことです。ここは、もともとてんびん座という星座はなく、さそり座の一部だったのですが、古代ギリシャの頃、ここに秋分点があり、昼と夜が等しくなる、というところからてんびん座ができた、と考えられています。もっとも、それよりも前、バビロニアの天文図にも天秤が描かれていて、作物を運ぶ農具だったのでは? という説もあるそうです。

αは、黄道のすぐそばにある星で、目で見ることができる二重星、肉眼二重星です。3等星のそばに5等星がついているのが見えるはずですが、おおぐま座のミザールとアルコルよりも1等級暗く、間隔も半分ほどなので、都会の空では見分けるのは難しそうです。

βは、ごく普通の3等星なのですが、人によっては緑色に見える、と言われる星。スペクトルはB8で、普通は青白い色に見えるはずです。ほかの星では、もちろん見てすぐに分かる色もあり、はくちょう座のアルビレオを、子供たちに何の知識も与えずに見せると、黄色(オレンジ)と青と、色の違いに気がつきます。この星は、果たして緑に見えるでしょうか。

双眼鏡や望遠鏡を使うと、よりはっきりと色を見ることができますから、お持ちの方はぜひ挑戦してみてください。

恒星データ

Hipparcos
番号
バイ
エル
符号
赤径赤緯固有名
カタログ名
意味アルマゲスト名実視
等級
絶対
等級
スペク
トル
距離
(光年)
72622α
LIB
14h50.9m-16゚ 2.5'ズベンエルゲヌビ南の爪南の皿の端にある輝星2.750.88A3IV77.2
72603α
LIB
14h50.7m-15゚59.8'   5.153.28F3V77.1
74785β
LIB
15h17.0m- 9゚23.0'ズベンエシャマリ北の爪北の皿の端にある輝星2.61-0.84B8V160
76333γ
LIB
15h35.5m-14゚47.4'ズベンエルハクラビサソリの爪北の皿の中央星3.910.56K0III152
77853θ
LIB
15h53.8m-16゚43.8'  同じ皿でその東にある星4.130.64K0III163
73714σ
LIB
15h 4.1m-25゚16.9'ブラキウム西の皿の最も南にある星の西星3.25-1.51M3/M4III292
76600τ
LIB
15h38.7m-29゚46.7'  これら(σ)の南星3.66-2.01B2.5V445
76470υ
LIB
15h37.0m-28゚ 8.1'  その(σ)東にある残りの2星の北星3.6-0.28K3III195

データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト