おおかみ座

夏の空低いところで、ケンタウルスに槍で突かれているオオカミ。

おおかみ座は、日本では南の空低くにしか昇りませんので、実際に空で探すのは難しい星座。さそり座の南西、天の川の中にあり、１等星はないものの、ζ－α－β－δ－γと２等星、３等星が「Ｄ」の文字に並ぶあたりがおおかみのお腹、その北東の小さな三角をおおかみの頭と見ます。

古代ギリシャからある星座ですがその頃は「野獣」座だったそう。右隣の星座、ケンタウルス座の獲物、というところでしょう。その後、いろいろな野獣が描かれたようですが、バイヤーが１６０３年に発表した「ウラノメトリア」で「おおかみ座」と表記され、おおかみ座にまとまったようです。

おおかみ座の星たちは「さそり－ケンタウルス運動星団」というグループに所属するものが多く、おおかみの身体を作る２等星３等星もそのグループの星たちです。「運動星団」は、元は同じガスから生まれた兄弟の星たちと考えられ、同じ方向へ移動しています。さそり－ケンタウルス運動星団は太陽系から５００光年ほど離れていて、さそり座α・アンタレスやみなみじゅうじ座β・ベクルックスなどもこのグループの星です。

恒星データ