ミモザ
南十字星の横棒の左側の星です。右側は3等星なので、間違えることはないでしょう。
かつてはアクルックスと同じように、みなみじゅうじ座ベータ、ベータ・クルックスという呼び方がつづまって、べクルックスと呼ばれていました。
2016年、国際天文学連合は、この星の固有名を「Mimosa」としました。ミモザ、花の名前です。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
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62434 | β CRU | 12h47.7m | -59゚41.3' | ミモザ | オジギソウ | (ケンタウルスの)同じ足(γ)頸の星 | 1.25 | -3.92 | B0.5III | 352 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト
ミモザ概要
ミモザと太陽
ミモザもとても明るい星、明るさは太陽の3000倍もあります。それだけでも十分に明るい星ですが、この星も含め、スペクトルB型の星の放射のピークは紫外線にあり、この星の全放射は太陽の34000倍、目で見える明るさの10倍もの違いがあるのです。直径は太陽の8倍、質量は14倍、表面温度は28000度。
この星は、5.68時間、3.87時間、2.91時間の3つの周期で0.8等級ほど光度が変わる変光星で、かつ、分光連星と考えられ、8天文単位程度の距離を5年ほどで公転する伴星があるといいます1
さそり-ケンタウルス座アソシエーション
みなみじゅうじ座は天の川の中にあるので、もともと星が多くあるところですが、この付近は、青白いみなみじゅうじ座のアクルックスやミモザ、ケンタウルス座ベータ・ハダル、ケンタウルス座の星たち、さそり座の星たち、色は違いますがさそり座のアンタレスのように、青白い明るい星が多いエリアです。しかも、この星たちは、太陽系から300光年から600光年の範囲にあり、宇宙空間を同じ方向へ移動しています。
みなみじゅうじ座からケンタウルス座、おおかみ座、さそり座と、90度ほどにわたっていますので、散開星団というには広がりすぎていますが、同じ星間雲から生まれたグループ、さそり-ケンタウルス座アソシエーションと呼ばれます。このアソシエーションは、地球のすぐそばにある巨大なもので、明るい星で100個以上、暗い星はおそらくそれ以上のメンバーがあると考えられています。
- ↩Brightest stars P240