アルデバラン
赤い目をしてオリオンを睨んでいる「おうし」の、その赤い目の星。
冬の星座のおうし座は、「V」の字に並んだ星を牛の顔、その中にあるアルデバランが牛の目と見立てます。日本でも、これを馬の顔と見ている地方もあるそうです。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
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21421 | α TAU | 4h35.9m | 16゚30.6' | アルデバラン | 後につづくもの | 南の目の上で赤いヒアデスの輝星 | 0.87 | -0.63 | K5III | 65.1 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト
アルデバラン概要
アルデバランと太陽
プラネタリウムでは「オリオンを睨む赤い目をしたおうし」と説明をするおうし座の、まさに目の星、アルデバラン。実際の空でも、見てすぐに赤っぽい色をしているのが分かります。赤い星は表面温度が低い星、温度が低いと、光も弱くなりますが、それでも1等星に見えるのは、太陽系に近く、しかも大きさが大きいため。
この星の直径は太陽の40倍程度、質量は2.5倍、ベテルギウスやアンタレスのような重い星ではありませんが、赤色巨星の段階にあり、ヘリウムの核融合反応が起きているようです。太陽も、あと50億年ほどするとこんな姿になることでしょう。
この星には、13等級の伴星があり、アルデバランの周囲を600天文単位ほど離れて公転していますが、アルデバランにもっと近いところに、木星の11倍ほどの質量をもつ、惑星か褐色矮星が回っていると考えられています。
アルデバラン、と言う名前は、アラビア語で「後に続くもの」と言う意味。なんの後かと言えば、もちろん「すばる」プレアデス星団です。日本でも同じ見方で「すばるのあとぼし」と呼ぶ地方があったそう。星がまとまったすばるは、東西問わずに注目されていたようです。
アルデバランはおうしの顔を形作るヒアデス星団と重なって見えていますが、この星団の星ではありません。距離はアルデバランが65光年、ヒアデスは150光年ほどで倍以上離れていますし、固有運動、星空の中を移動していく向きも、アルデバランはオリオンの足元、リゲルのほうに向かっているのに対し、ヒアデスはオリオンの肩、ベテルギウスのほうへ向かっています。
この星は、太陽の通り道、黄道に近いところから、昔から注目されていました。古代ペルシャの「ロイヤル・スター」のひとつで、そう崇められていた5000年程前には、歳差運動によって、春分点はこのおうし座にありました。春の訪れを告げる星座、そして星だったのですね。
プラネタリウムでは、黄道を示す線が表示できますが、ロイヤルスターのもうひとつ、しし座']のレグルスとこの星を空で結ぶと、実際の空でも、空を横切る黄道を想像することができます。その想像の線の上を、太陽や月、惑星が運動していく、そんなことを考えて空を見上げると、空の大きさにびっくりします。