80万年後の星空
第二次輝星時代が終わってから60万年間、1等星が20個を超えることはありませんでした。けれども、現在から80万年後頃から100万年後頃までの20万年間には、1等星が20個を超えます。第三次輝星時代の始まりです。
とは言っても、マイナス等級はカノープスだけで、第一次、第二次に比べれば、地味な印象。とは言うものの、これが終わった後、また50万年間ほどは1等星が20個を超えることはないようですから、明るい星の多い、貴重な星空といえるかもしれません。
80万年後 『春』
80万年後 『春』
星座線は現在のもの。星たちがどの辺りにあったのか、の、比較のためです
てんびん座ベータ・ズベンエスカマリ(1.3等級)とスピカ(1.0等級)の接近は終わったが、太陽系に10光年まで接近しているヒッパルコス番号21386(1.1等級)とともに、『春』の南低空で1等星の3角形を作る。
北斗七星の柄の端の星アルカイド(1.4等級)は、天頂付近でぽつんと輝く。
80万年後 『夏』
80万年後 『夏』
星座線は現在のもの。星たちがどの辺りにあったのか、の、比較のためです
アリオト(1.1等級)とミザール(2.0等級)は、77万3000年後に角度の9分まで接近、明るい二重星として見られた。この時代もまだ0.5度と、月の直径ほどの距離に並んでいる。北斗七星の枡底の星メラク(1.4等級)も1等星になり、おおぐま座星流の星たちが近づいてきたようだ。
南の低空では、いて座のあたりに、へびつかい座タウ(2.4等級)、いて座デルタ・カウスメディア(2.3等級)、いて座シグマ・ヌンキ(1.8等級)の2等星トリオがまっすぐに並んでいる。
隣のさそり座は、元々のさそり座の星に、わし座エプシロン(2.1等級) ヒッパルコス番号93429(1.0等級)が加わり、上から踏み潰されたさそりのようになっている。
80万年後 『秋』
80万年後 『秋』
星座線は現在のもの。星たちがどの辺りにあったのか、の、比較のためです
アンドロメダの胸元で輝くへび座シータ・アリア(0.9等級) 現在であれば、白い輝きから「ダイアモンドのペンダント」と言われそう。
80万年後 『冬』
80万年後 『冬』
星座線は現在のもの。星たちがどの辺りにあったのか、の、比較のためです
ぎょしゃ座ベータ・メンカリナン(0.3等級)はペルセウスの足。こと座アルファ・ヴェガ(0.8等級) ケフェウス座アルファ・アルデラミン(1.4等級)はおうし座までやってきた。
オリオンのベルトもだいぶ崩れているが、おうし座ベータ・エルナト(2.3等級)が入って、4つ星になっている。
80万年後 『南天』
80万年後 『南天』
星座線は現在のもの。星たちがどの辺りにあったのか、の、比較のためです
1等星
位置(J2000) | 位置(J2000) | ||||||||||
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順位 | 名前 | 明るさ | 距離 (光年) | 赤径 | 赤緯 | 順位 | 名前 | 明るさ | 距離 (光年) | 赤径 | 赤緯 |
1 | カノープス | -0.26 | 370 | 6h46.5m | -48° 5′ | 12 | アンタレス | 1.04 | 600 | 16h18.7m | -31°38′ |
2 | メンカリナン | 0.26 | 39 | 3h33.7m | +38°18′ | 13 | スピカ | 1.05 | 270 | 12h46.5m | -17°52′ |
3 | リゲル | 0.31 | 820 | 5h16.1m | – 8°19′ | 14 | Hip21386 | 1.06 | 9.5 | 13h 1.1m | -35°17′ |
4 | ハダル | 0.70 | 550 | 12h54.9m | -64°46′ | 15 | アリオト | 1.06 | 59 | 16h17.0m | +39°33′ |
5 | ベテルギウス | 0.74 | 490 | 6h16.8m | + 9°29′ | 16 | デネブオカブ | 1.11 | 35 | 18h43.2m | -47°45′ |
6 | エルタニン | 0.75 | 74 | 17h36.6m | +41° 7′ | 17 | アケルナル | 1.18 | 200 | 3h36.7m | -60°29′ |
7 | ヴェガ | 0.82 | 36 | 4h11.8m | +23°39′ | 18 | デネブ | 1.24 | 3200 | 20h43.4m | +45°38′ |
8 | ξSER | 0.88 | 31 | 8h44.7m | -44°43′ | 19 | ズベンエスカマリ | 1.34 | 89 | 12h21.2m | -15° 8′ |
9 | アリア | 0.90 | 24 | 0h45.3m | +35°46′ | 20 | アルカイド | 1.37 | 81 | 10h46.6m | +34°11′ |
10 | アクルックス | 0.99 | 360 | 11h18.3m | -65° 6′ | 21 | メラク | 1.43 | 52 | 14h52.3m | +55° 9′ |
11 | Hip93429 | 1.04 | 38 | 17h 1.0m | -42°32′ | 22 | アルデラミン | 1.43 | 31 | 3h59.0m | +19°18′ |
太陽系に近い恒星ベストテン
位置(J2000) | |||||
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順位 | 名前 | 明るさ | 距離 (光年) | 赤径 | 赤緯 |
1 | Hip21386 | 1.06 | 9.5 | 13h 1.1m | -35°17′ |
2 | Hip6379 | 3.74 | 11 | 22h 1.5m | -33°18′ |
3 | Hip81935 | 4.62 | 12 | 5h58.2m | -26°46′ |
4 | Hip92871 | 8.35 | 17 | 0h36.1m | -36°50′ |
5 | Hip87768 | 6.31 | 20 | 12h 9.1m | -47° 5′ |
6 | Hip36915 | 9.76 | 20 | 1h24.3m | + 9°27′ |
7 | ムシダ | 3.89 | 21 | 22h35.1m | +60°23′ |
8 | χOR | 3.84 | 22 | 23h22.2m | -34°40′ |
9 | Hip53985 | 8.40 | 22 | 16h22.5m | -17°25′ |
10 | アリア | 0.90 | 24 | 0h45.3m | +35°46′ |