名称 | 星座名 | みなみのうお |
---|---|---|
略号 | Psa | |
学名 | Piscis Austrinus | |
所有格 | Piscis Austrini | |
英語名 | the Southern Fish | |
設定者 | プトレマイオス | |
概略位置 | 赤径 | 22h10m |
赤緯 | -32° | |
面積 | 245 | |
季節 | 秋 | |
南中 | 10月下旬 | |
星数 | 1等 | 1 |
2等 | 0 | |
3等 | 0 | |
4等 | 5 | |
5等 | 8 | |
6等 | 32 | |
変光星 | 54 | |
データ出典: 星座名・概略位置・星数:天文年鑑2020 名称(星座名を除く):IAU Webサイト |
みなみのうお座
ペガスス座の四角形、秋の四角形の西側の二つの星を結んで南にのばしていくと、ポツンと輝く星が見つかります。
秋のただひとつの1等星フォーマルハウト それを口に持つのはみなみのうお座です。この星座は、α・フォーマルハウト以外は明るい星がなく、魚の姿を追うのも難しい星座です。
フォーマルハウトから、δ-βとお腹が続き、ιがしっぽ、折り返してεが頭、と魚を描きたいところですが、どういうわけかこの魚、逆さまに描かれており、南側が背中、北側がお腹と見ます。お腹が上を向いている魚、では、だいぶ弱っていることになってしまいますが、一説には、みずがめ座のガニメーデスが持っている瓶から流れている神々のお酒、ネクタールを飲んで酔っぱらっているから、なのだそう。
半身になった魚
日本では「秋のひとつ星」と呼ぶ地方もあるフォーマルハウトは、「フム・アル・フート(魚の口) fam al-hut al-janubi」がなまったものといわれます。この星は、(地平線ぎりぎりのカノープスやアケルナルを除いて)日本から普通に見られる1等星の中ではいちばん南にあり、北緯35度では、一番高く昇っても25度程度にしかなりません。意外にも、おおいぬ座のシリウスやさそり座のアンタレスよりも南にあるのです。
なので、見ごろの時期は短く、20時の空では9月上旬に南東の低空に見え始め、11月上旬に南中、12月末には南西の空に消えていきます。9ヶ月間も見えている、ぎょしゃ座のカペラやこと座のヴェガと比べると半分ほどしか見ることができず、秋の寂しさとも相まって、なんとも儚い印象です。
日本よりも緯度の高いヨーロッパでは、もっと南に低くなり、南への憧れをいざなう星といいます。
フォーマルハウト以外に固有名のある星はありませんが、この星座の南にあるつる座のγ星、つるの頭の星は「アルダナブ」と呼ばれて、「しっぽ」の意味。もちろん、つるのしっぽではなく、みなみのうおのしっぽのことです。これも、「デネブ=しっぽ」という固有名シリーズのひとつの星です。
バイエル(バイヤー)がつる座を作った際に、みなみのうお座の下半身は切り取られてしまったのです。「開き」になるよりはましでしょうか。
恒星データ
Hipparcos 番号 | バイ エル 符号 | 赤径 | 赤緯 | 固有名 カタログ名 | 意味 | アルマゲスト名 | 実視 等級 | 絶対 等級 | スペク トル | 距離 (光年) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
113368 | α PSA | 22h57.6m | -29゚37.3' | フォーマルハウト | 南の魚の口 | 南魚の口で注口にある最後の星 | 1.17 | 1.74 | A3V | 25.1 |
111188 | β PSA | 22h31.5m | -32゚20.8' | 頭の南の曲りにある3星の西星 | 4.29 | 1.00 | A1V | 148 | ||
113246 | δ PSA | 22h55.9m | -32゚32.4' | 3星(β)の東星 | 4.2 | 0.61 | G8III | 170 | ||
111954 | ε PSA | 22h40.7m | -27゚ 2.6' | えらにある星 | 4.18 | -2.61 | B8V | 744 | ||
107380 | ι PSA | 21h44.9m | -33゚ 1.5' | 3星(η)の西星 | 4.35 | 0.36 | B9.5V | 205 |
データ出典:
バイエル符号・等級・スペクトル・距離:Hipparcos星表 絶対等級:独自計算 固有名・意味:星座の神話、IAU アルマゲスト名:アルマゲスト