パルディ天球図 より、こと座 Ignace Gaston Pardies, Wikimedia Commons

過去未来の星座のこと

星座を作る星のことを、私たちは恒星と呼んでいます

このコンテンツは、2010年10月にサイト「山上企画」にて公開の再編集です

「惑星」=惑い動く星に対して、「恒星」=変化しない星、移動しない星、ということですが、実際にはもちろん、恒星も宇宙空間を移動しています。秒速数十km~数百kmという速度ですから、人類が作った宇宙船よりもずっと速いのですが、宇宙空間の広さはそれ以上に広く、何十年、何百年という時間をおいて注意深く観察しないと、動いていないように見えます。だからこそ、恒星と呼ばれるわけです。

それでも、数万年という時間スケールで見れば、星の位置も星座の形も、どんどんと変わってしまいます。

そんな疑問から、今、分かっている恒星データを使って予測できる、過去未来の星空を調べてみようと思い立ちました。

ここで紹介しているのは、いろいろな前提に基づいて計算した結果です。本当かどうか、は、誰にもわかりません。一種のSFと思ってもらえればと思います。

計算の前提:

  • 現在より、前後100万年程度を計算範囲とします
  • 恒星は、等速直線運動、現在の運動を、過去未来もそのまま続けるとします
  • 恒星は、進化をしません。赤色巨星になったり、超新星爆発を起こして消滅したり、新しい星が生まれたりしません

星空の描画について:

  • 固有運動に比べ周期の短い歳差、章動は計算に入れてありません
  • 歳差により、当時の季節と現在の季節は異なりますが、恒星の位置解説のため、現在の季節に見える空を カッコつきで『春』などとしています
  • 同様に、星座線も現在のもので引いてあります

使用している恒星データ:

  • The Hipparcos and Tycho Catalogues から、Hipparcos catalogue
  • Pulkovo Compilation of Radial Velocities for 35493 Hipparcos Stars
  • Yale Bright Star Catalog, 5th Revised Edition, Preliminary Version
  • SIMBAD

同じ星に異なるデータが存在する場合、論文・書籍などを比較し、より一般的と思われるデータを選択して使用しています。

さて、どんな星空が見えるのでしょうか。